Re 日溜哀歌

直向きに、気まぐれに。

心とは

考えることを放棄したくない

そう思ってた僕は社会的敗者になり果てた

 

遠く虚ろな瞳でにちゃっと音がしそうな笑顔の中で、同じ事を繰り返し続ける輪の中で。

 

「出来ない」を「出来る」ようにする方法を探すことを手放して、なんで考えるの?出来る筈ないじゃんって否定される輪の中で。

それでも考える事を手放したくなくて、だけどその輪にはいらなきゃって。

 

自分をゾンビだと思ってた。

ただ腐って、何も出来なくて、人に迷惑ばかりかけて。

映像の中のそれらに自分を重ねてしまうから、辛かった。

 

ゾンビだって、ゾンビになりたくてなったんじゃない。

人のままで在りたかった。

こんな風になってしまった自分が悲しい、もっと一緒に笑っていたい。

けれど、本能のままに相手を襲ってしまう、制御のきかない体が憎い。

そんな思いを重ねながら排除されゆく姿を見ては、「いつかきっと私の事も...」なんて思ってた。

 

そんな私も働いて、仕事も覚えて、もっと沢山頑張りたくて背伸びして。

「1人じゃないんだから」と肩を叩かれ「チームなんだから」と振り返った先には共に頑張る仲間ではなく、「一緒に堕落しよう」と誘う魔の手達だった。

 

抗った。

「仲間なんだから」何度も言われた。

きっと私は間違っていた。

 

「やりたくない」人の輪の中で「やりたい」私はどれ程邪魔者だっただろう。

いかに仕事を減らすかに力を入れている中で、やれる事を増やそうとする私は迷惑以外何者でもなかっただろう。

 

もっと早くに気付くべきだった。

 

心は無くしたと思ってた。

「考える事をやめたくない、例えそれが無意味でも。」その意思だけは変わらなかった。

「意思」には「心」が入ってる。

てんで胸は冷えきっていて、まるで脳だけのカラクリだと思ってた。

だけど心はちゃんと有ったんだ。

 

冷えたグラスにスポンジを突っ込んで、水滴一粒残ることなく吸い取られた器の中に再びワインを注ぐだろう。

 

大事な事に気付けたから。

意味なら自分で見つけるさ、大丈夫。

大丈夫、回復は見込めるだろう。

灯りの消えた灯台に灯をともす。

そのために今、階段を登ろう。

 

灯りが着いたら、何をしよう。

見つけるための明かりを付けに、今からランプを探しにいくよ。

 

後から来る君が迷わぬようにランタンとしてこの詩を注ぐ。

階段の所々にその時々の思いを少し置いていくよ。

 

何処がゴールか分からない。

だからずっと唄いつづける。

辛いことも、悲しいことも。

楽しいことも、嬉しいことも。

今はこんな唄だけど、どうか鼻で笑い飛ばして。

次の一歩を踏み出して。

 

大丈夫、1人じゃないさ。

だって僕が傍にいる。