サイコロみたい
丸くあれと四角は産み落とされた
角は引っ掛かるが丸く丸みを帯びてなんとか丸く転がれるようになった
そん時には丸は止まりかたを覚えて
助走をつけて走っては転んで丸まって勢いつけて距離を延ばして着地して繰り返して仲間に囲まれていた
角張った体じゃうまく転がれないけどルールに規則に乗っ取って
助走をつけて走って転んで引っ掛かる体を気合いと根性で転がして着地して見回してもかすり傷に囲まれて
これくらい痛くないさって何度も何処でも転がって
同じになりたくて輪に入りたくて
小さな傷は痛くないよ本当さ
これで仲間になれるなら
いつしか丸は小さな角を1つ手に入れ止まって息抜くことを覚えていった
はじめから持っていた角を加速に使っていた僕は止まりかたを忘れていた
転がってついた傷は痛まないよ
血の跡が僕の辿った軌跡を記してくれているからさ
それだけで誇れる傷になっていく
愛しい朱になっていく
けれどいまだに僕は一人だ
初めから形の違う僕は同じ悩みを苦労を困難を
分かち合うことの出来ない僕は蚊帳の外
それがとても寂しくて
「蚊帳の外で平気なんて信じられない」なんて言葉が突き刺さるんだ
入れなくても虫に刺されて死んだりしたいよ
夜風は涼しくて透き通って大好きだ
てれども少し
少しだけ
傍にいて欲しいときもある
丸く望まれ生まれた四角が1つ、細かな傷を刻みながらビー玉の袋に入れずに踏まれて痛いと投げ捨てられるお話さ