Re 日溜哀歌

直向きに、気まぐれに。

宿り木

空になんてならなくていいよ

勝手に見つけて飛んでいくから

疲れたって気づかないふりして空元気でも飛び続けるから

疲れていることに気付いてしまえば虚栄も崩れて堕ちていく

翼をなくすその前に

宿り木になってほしい

羽を休めるその場所に

どれだけ遠く離れても

どれだけ高く羽ばたいても

戻れば変わらずそこに居て

「おかえり」なんて微笑んで

ぐだっていても素知らぬ顔で隣に居て

それがどんなに嬉しいか

それだけでまた飛べるから

終わりもない

果もない

限界なく広がる大空に

それでも雲を突っ切って

大気圏超えてやってやったと笑いたい

安全を保証する空になんてならなくていいよ

ふとした時に休める場所であってほしいよ

とんだ我儘なんだけど

私は空より高く飛んでみたい

雲を越え大気を抜けて宇宙の先になにがあるのか知りたいの

一緒に来なくて大丈夫

やりたい事をやっていて

たまに一緒に笑ってほしい

ぐだって喚く私を笑い飛ばして

素知らぬ顔で傍らに居て

会話なんて無くていい

君がそこに居る、そう感じる

邪険な空気は感じない

心地良い場所、安心する場所

無茶で無鉄砲かましたい私の

羽を休める唯一の宿り木